「・・・・・・・・・想像通り・・・・・・。」
外全体を見渡した空羽ははぁ、と溜め息をついた。
――崩壊したビル達、回線が切れて垂れ下がった電線、道端に転がる生き物の死骸。
命が、そこらに転がっている。
「戦争、だったもんね」
外に出られなかった分、想像していた世界と現実の世界。それは然程違いが無いものだった。
罅割れたアスファルトを裸足で歩こうとする。
「そおら、?」
「っ!!!!!!」
突然、背後からかけられた声に飛び上がる。
「り・・・・・・・・・・・・・・ゅ、」
ぐいと顎を反らして見上げないと目線が合わない程背が高い、男。
目が覚める鮮やかな金髪。
不敵な笑み。
「何で外に居るの?
約束したよなぁ、あの時。外には出ないって。」
「っ・・・・・・・・・・・・・いやッ!!」
伸びてくる手を払う。
「・・・・・・・・・・・昨日みたいにされたい?」
「っ・・・・・・・・・・・・!!」
叩かれた手で、空羽の顎を持ち上げた。

