「・・・・・・・・・どうする?」
わぁああ、と騒がしくなる政府館。
ちらり、と涼は横目で仁叉を見遣った。
それに気付き、涼に視線を送る。
「俺、全部殺っていいの?」
バァン・・・。
再び銃声が響く。
「・・・・やめといたらぁ?もう直ぐ、もっと来るでしょ。政府館が崩れる位に」
「そうだね。怨みの先が政府、って所が低レベルだけど」
どかり、と地面に座る。
人気の少ない路地裏の其処は、生ゴミや生物の腐敗した死骸などの匂いで充満していた。
勿論、あらゆる生物の死骸。人間だって破棄された物もある。
「・・・・臭い、」
顔を顰め、腰を落ち着けた事を後悔する涼。
「そうだね、酷く気分が悪い。」
狭い路地の置くに、黒いゴミ袋。その中身に集っている蠅はこの世の底辺を見せ付けられる。
「・・・・・・ほら、もう軍が来たぜぇ・・・」
視力に自信がある、と言い切った涼の目は政府館少し離れた所に向いていた。
深緑色の軍服に身を包み、武器やらを所持している大量の軍人達。彼等も政府に腹を立てていたのか、容赦無く銃を撃ち続けている。
「・・・・・・何あの撃ち方。あんなの品が無くて、目茶苦茶だ。こんなに軍も腕が下がったものだね、涼」
「何言ってんだか。お前は訓練でも銃を使わなかったろぉ?その代わりナイフとか剣で、ずばっと。」
非道だ、と嫌悪感丸出しの目で仁叉を見上げる涼。
「刃物の方が綺麗じゃん」
口角を緩く上げ、座ったままの涼を見下ろす。
バァン、バンバン、・・・・・
銃やら歓声やらが、街を覆う。

