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1-5地区東部にて。
「はい、ご所望のマシンガン。」
「流石武器屋。有り難うね」
国会軍事館を出て、二人は東部通信司令室兼国会政府館付近にやってきた。
黒い格好に身を纏い、その大きな武器を肩に下げる。
「これを使わない事を願うよ」
「へーへー」
国会政府館の近くの広場に隠れてその様子を窺う。
館の周りは銃やら短剣やら武器を持っている人間で一杯だった。ロックがかかっているらしく、扉を突き破ろうとしている者も居る。
“反東部!”
“自由を返せ”
“西部に降伏!!”
こう言った東部への旗もある。
「何だ、デモみたいなもんか」
「違うと思うよ、これは・・・・西部と東部、日本の喧嘩なんだから」
「喧嘩好きねぇー仁叉ちゃん。余裕に待ってるじゃん」
「・・・好きなわけじゃない。あのね、俺は俺で闘う。軍だって、好きな様に就けさせて配置させた。そろそろこっちに軍隊来てもおかしくないよ?余裕な訳ないでしょ」
そういって、それ程焦った顔を見せていない仁叉は手に取った銃を弄る。
「そもそも・・・・この喧嘩のきっかけは一人の政治家。今はその政治家は自殺して居ないけど、その被害がまだ残ってるんだ。これは俺が止めるしかないよ」
「どっからその自信がつくんだか。特別捜査官に頼まれたんだろぉ?」
「まぁそれもあるよね。政府に逆らったら軍はやってけないもん」
涼は、目立たない様にと新しく染めた黒髪をいじった。
「・・・・・・・・そう言えば、ここ2日お前と一緒に居るけど空羽は?」
「薬飲ませて、多分今は・・・寝てるかな?」
「薬って!お前の事なら睡眠薬だけじゃなくて薬物も入れてるだろ・・!」
「少量。大丈夫だって、もともと空羽は対薬物の身体になってるから」
バァン。
向こうで、銃声がした。

