+Black Blood.


「政府ぅ?空ちゃん政府なんかに追われてんの?」

「空羽には兄貴の羽牙祢がいるのは知ってるよね。その子も連れて来いって言われてるの」



苛々と仁叉は足を組みながら言葉を急かす。



「・・・・・・・・へぇ、それって、」

「全く。空羽と羽牙祢を育てたのは俺なのにね?」



カツン、と靴音が響いた。




「・・・政府間特別捜査官には気をつけないとね」



ふざけていた涼が静かに目を伏せる。

顎を手に当てて、少し考えたかのように呟いた。



「・・・・東部を応援しちゃおうかな」





――最狂の男を手に入れた。



一先ず安心だ、と仁叉は表情を緩める。







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