「まぁ、今は空羽を襲う体力も無いから何もしないけど」
「・・・・・・・・・・・・じ、」
ピリリリ。
無花果が問い掛けようとした時に、普段滅多に使わない仁叉の携帯電話が鳴った。
「珍しいね」
「・・・・・・・うん・・・まぁ、」
胸ポケットから取り出し、画面を見るなり項垂れる。
やる気が無さそうに腰を上げ、仁叉は席を外した。
「はい」
(持ってたことは知ってるけど使った所一回も見てなかったなぁ・・・。こう見ると仁叉に電話って似合わない・・・・)
と無花果は仏頂面をしている仁叉を傍観していた。
「はぁあ?!」
その大きな声にびくり、と無花果が反応する。
「・・・・・・・何、もうなの?」
少し声を落とした仁叉が無花果を見遣る。驚いたもののさほど興味が無いようだった。
―――外は、もう激昂に覆われていたのを無花果は知らない。
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