+Black Blood.



少し、考え込む無花果。

そして顔を上げる。


(力じゃできない。でも、捻れば・・)


ぐっ、と右腕を上に引っ張るように捻った。


ぎり、と腕が鳴る。



「う、らっ!」


力強く引き抜こうとすれば、想像通りには引き抜かれなかったが代わりに腕周辺の縄が緩まる。

更に逆の手を捩り、多少手荒だが千切るように縄を緩めようとした。



(・・・10歳の時の空ちゃんは持ってたナイフで切り落としたんだけど・・・。より凶暴になってないかな・・・?千切るって・・・)


眉を寄せ仁叉は傍観する。



無花果はぐいぐいと腕を捻らせ角度を変え、そうしている内に僅かな隙間が出来た。
そこから腕を出そうとする。


(いたたたたた!!仁叉きつく結びすぎ・・・・、)


顔を顰めながら縄を緩めようと試み、更に暴れるように引っ張る。



「・・・・・・・痣、できるよ。」

「・・・・・・誰のせいでっ、


あ。」



手に、違和感。


結び目が一周回って丁度解けるような位置に回ってきたのだ。
そして、暴れて緩くなった結び目に指を掛ける。



「・・・・・・取れた」


ふわりとその紐は落ちた。



「ん。乱暴だったけど合格。7分49秒。」

「計ってたの?!」



後ろで回していた手を元に戻し、痣がくっきりできた手首を撫でる。