__________
_____
__
“東部は下劣だ!”
“女の敵!!”
“差別だ”
高層建ての此処東部政府所の真下にはこう言った張り紙がびっしりと貼り付けてあった。
「・・・・・ハァ、あんの野郎のせいで今こうなってるのよねぇ~・・・」
「同感ス。部下としては最悪ですよ」
女が窓際に座る。短いタイトスカートが捲れてもお構いなしに、煙草を悠々とふかす。
紫煙が辺りに広がった。
「まぁ自殺してくれて結構だったけど?」
彼女の少し年下の後輩が頷いた。
「面倒臭い事になりましたねぇ~・・・」
部屋いっぱいに紫煙が広がり少しむせる部下。
「能ナシの政府なんてあっても無くても同じなのにねぇ。何でこうぎりぎりの日に出勤させるかなあ?」
「それも同感ス。家帰って死に際までゆっくりしたい気分スね」
ふかしていた煙草を灰皿に押し付け、窓際から立ち上がる女。
「今可愛い軍人さんが頑張ってる所だし。私も頑張ろうかなぁ」
「軍人さん?誰スかそれ」
いつもの上司の軽い冗談だ、と苦笑する部下。
「本当よ。何笑ってんのよ」
「イエ・・・・先輩から真剣な言葉が出てくるって・・・ちょっと・・・」
「失礼ね。」
カツン、とヒールを高らかに鳴らし、袖を捲る。
「政府間特別捜査官出動!」
「うっす!」
――まだ、外は凍えるように寒い。
____________
__________
_______

