「だだ、だれを」

「俺を」

「なん、で」

「好きだろ?ぜってー」

「フザけないでよナルシスト!死んで!!」



ベッドに顔を埋めた無花果の髪を引っ張る。



「痛・・・・・・・」

「来いよ」


上半身を起こし、そして零に預ける。



「体、見せろ」

「何で」

「傷。前俺が熱出した時にメイドが持って来てくれた消毒液あるから」

「言い方がヤだ」

「そんじゃあ無花果の体が見たいなぁ」

「ねぇそれ本心?余計いや」



(消毒って言う単語は香織ちゃんからしか出ない言葉だし)



「分かってるって。何もしねぇ」

「したら零のネクタイで首絞めてやるから」



するりと零の首から黒い紐を掏り取る。



「ん」


同じ様に零が無花果のリボンを解いた。


そして緩くなった胸元の隙間から手を入れる。


「ちょっと」

「あったけぇ・・」

「やめてって・・・」

「う、お前本当に絞めるんだな」



黒い紐を零の首に巻きつけ途端に拘束された腕を、無視して歯で絞めようとする無花果。



「・・・・絞めていい?」




ぽつりと無花果が呟いた。