『ホラ、行こう?』


『?!お前はっ・・・・・!!!』



明らかに油断していた彼女を殴って、気を失わせた。



『凄い血・・・折角怪我治ったのにね・・・』

抱き上げた傍から血が垂れる。



すると、気を失ったはずの空羽から声が漏れる。


『り・・・・・ょう、すき だった』

『可愛い事言えるようになったじゃん』



きっと空羽は分かってたのかもしてない。

自分の為に、涼がこうした事を。
そして、恩人に、もう二度と会えないかもしれない、と。


『可哀想に・・・・・』



それを最後に、空羽の言葉は途切れた。



(君は前にも後ろにも進めない、可哀想な奴隷みたいなものだった)




たすけられなかった。









最後まで、空を。