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「零、何か降ってる」

「あ?雪か?道理で寒ぃ訳だ」



外は粉雪がちらつく昼。



無花果と零の二人は、たった今、都会の会社からの刺客―――勿論侵入者―――を確保した後だった。




「何で降るんだ?雪って。」

「・・・・・・・・・・寒いからじゃね?」

「へえ。」



正面玄関から外を覗く無花果。



「寒・・・・・・・・・」





ぶるりと身震いし、ふらふらと裏口に向かった。


「ちょ、俺あっちの方が温かいから移動してるわ」


「サボる気かよー」


「ちゃんと見張っとくって」



そして、窓が少ない人気も無い裏口に座り込む無花果。


(パンツ見えっぞチクショ)



体を縮込ませ、玄関の脇に立った零。




「ん、アレ」



無花果の様子を見ようと顔を上げた時。


(居ない・・・・・・・・?)



異変を感じ、裏口付近に向かう零。