(仁叉とのはこんな長くなかった・・・!)


景色がくらくらして、自分の酸素が薄くなるのを段々自覚した無花果。


少し離れた唇から必死に呼吸をしようとする。
が、また塞がれてしまう。


(死っ・・・・ぬ・・・)



若干涙目になりながら、無花果は体を捻るなど抵抗を続けた。



「キスしにくい。」


あっさりと、そう言い捨てる零。


組み敷いた無花果は、全力で呼吸をする。


「お前・・・俺を殺す気か・・・・!!」

「アレ、仁叉に目一杯やられてたんじゃねーの?」


これでもか、と言うほど悪魔な嗤い。



「手・・・・離・・・・・・・・・ッ」

「無花果が俺に応えてくれたら離してやるよ」


「んっ・・・・・・・・・!!」


(応える、って何を  ?)


再び重なる唇に、絡まる舌。


(ペースが・・・・・・・乱れる・・・・・)


未だ掴まれている手首を押さえている男の手を引っ掻く。


それに応えるかの様に口内が更に荒らされる。



(も・・・・・・・・・・死ぬ・・・・)


がぶ、と口内を荒らす舌に噛み付いた無花果。


本人は強く噛んだようだが、どうやら力が入って無かった様で噛まれた方は甘噛み程度にしか感じなかった。



「・・・・・・痛い」


その言葉を無視し、酸素を取り込む無花果。



(何か動物みてぇでイイけど)


頬を真っ赤に染め、今にも襲い掛かりそうな目付きで睨んでくる。


「威勢は良いよな」


「零・・・てめえ・・・・・」


赤く腫れてしまった唇を見て、満足そうに微笑んだ零。