鎖と足首の間に冷たいナイフを滑り込ませる。



「っ・・・・・・・・・」

「動くなよ、」


ガキン。


鎖に食い込ませたまま、一気に引き抜かれた。



「ん、取れた。」


ガラン、と落ちる鎖。


「・・・・・・・・ありがと・・・・・」


(やっぱ痣になったか・・・)


変色してしまった足首を撫でる無花果。



「あ、仕事 」


(仮にもミッションに戻った立場だ。本来の役割を忘れ掛けてた・・・・・・)


立ち上がると同時、零が不機嫌な顔で見る。

「その体で?」

「は?だって仕事ッ・・・・・・・」


ドガッ。


鈍い音がしたかと思うと、零が無花果を蹴り上げた。

力無くまたベッドに埋もれる無花果。

「なっ・・・にすんだてめ・・・・・」


抗議しようと体を起こした時。



「・・・・・・・・・っ、」



そのままの格好で零が無花果を組み敷いた。



「なぁ、俺の蹴りも避けれねぇ奴が今仕事しようとしても足手纏いなだけだろ?」

「っ・・・・・・・・・・!!」


くすり、と馬鹿にする様に嗤う。


「不意打ちだろ?!」

「以前のお前ならすぐに避けれる筈だ。感覚が鈍ってるだろ」

「・・・・・・・・・・」


図星をつかれ、口篭る無花果。



「・・・・・・・・・じゃあ、どうすんだよ。お前一人で仕事して、俺は悠々気ままに此処で休んでろって言うのか」


負けじと睨む。


「・・・・・・・・・んなこたぁ言ってねぇ、」



ぎしり、と無花果の束ねられた手が、上質なベッドに沈んでいく。