+Black Blood.

ぼて、と力無く地面に座り込む無花果。


「は・・・・、抜けた 」


ポタ、と汚水がパイプから垂れる。
どうやら昔は水道管だったようだ。


「後は・・・・・・・・、」


すく、と立ち上がり、目の前の鉄格子に体を向ける。

先程抜いたパイプ管を両手に構え、牢の最奥に下がる。



(ブチ壊すのは得意分野だ!!!)



全速力で、その鉄格子に向かって走る。



「らぁああああああああ!!」



ガツッ・・・



鉄と、鉄がぶつかり合う音。


「っいた・・・

っつか凹んでるだけか・・・・」


見ると、鉄格子が僅かに凹んでいる。


(あとちょい凹んでくれねぇかな・・・)


ぶつけた時に同時に打った膝を撫でる。


(もう一回位で頑張ろう)


再び、後ろまで下がる無花果。

そして、走った。

(いけぇええええ!!)



ガチン、



妙な音がした。


「・・・・・・・・・アレ、」


古びたパイプは、二つに割れ、呆気無く地面に転がった。



顔を上げてみる。