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ガチャン・・・ガチャン・・・
広い地下牢に、鎖の音が響く。
「いって・・・・」
音の発信源は、服を着た無花果だ。
足首に巻き付いている鎖を取ろうという魂胆だ。
細い指で、渾身の力を込め、引き千切ろうとする。
(仁叉や、軍の言い成りにはもうなりたくねぇ)
指先は、爪が剥がれそうでその間から、僅かに血が垂れる。
ガチャンッ、ガチャンッ・・・
今度は四つん這いになり、脚を引いてみる。
「ぐぅうううううううう・・・」
ぎちぎちと鎖が足首に食い込み、痣を新たに作る。
(痛ぇ・・・)
鎖には僅かながら、数個の皹が入っている。
「ふんぬうううううう・・・!!」
何処にそんな力があるのか、みしみしと鎖が鳴る。
「っらぁッ!!」
ブチッ・・・・
鎖が千切れ、無花果が前のめりしに倒れた。
「っしゃ・・・次は・・・・・・」
目の前にある、鉄格子。
そこで、周りに何か無いか見渡した。

