+Black Blood.

「っ・・・・・・・・・・・」



その弾は、仁叉の肩に命中する。


「俺は、お前が世界で一番キライだ。

んで、その次にあの双子。」


「キライと言っている割にはイイ顔してるよね」

「どうも」



ガクン、と零がうずくまった。



「何で、俺をそんなに嫌ってるの?」


徐々に近づくその靴音。



「1-4地区抹殺、てめえが指令しただろ。あの双子に。」





ハァア、と荒い息遣いだけが耳に残る。



「・・・・・・・・うん。

1-4地区は、生かしておくと国的に脅威があるから」




仁叉がナイフで零の顎を上に持ち上げる。



「そっか。君は、1-4地区の生き残りだね」


「・・・・・・・・・ああ。」


「凄いね、あの悲惨な戦場を生き残ったんだ。そりゃ、こんなに強い筈だぁ・・・・・・」



前を向いた零の眼。


真っ直ぐ、貫く様な眼差し。

その奥には、憤怒と怨みが宿っている。


「そんじゃぁ、両親も、友達も、家も、何もかも無くなっちゃった訳だ」


ストン、と仁叉も零と同じ目線に座る。



「あんな小さい双子が、良くやる、と思ったぜ。感情無しで、次々と作業の様に人を殺めていく。

人間じゃねぇ、と思った」