+Black Blood.




□ □ □



「仁叉、だっけ?俺に変な感情持つな、って言ったよなぁ・・・・・・・・」



自室と言えば、広すぎる部屋。



「ん、言った。」


どれもが純白で、零が立っている所にだけ、血液が燦爛している。



「育て親だっけぇ・・・・?


にしては、行き過ぎた愛情だな・・・・・」



ぶるぶる、と筋肉を痙攣させ立ち上がる。



「親が子供を抱いたり、キスしたり、壊したり・・・・・・?」


「俺は空羽を壊した覚えは無いけど」


「そうか?今頃壊れてる気がするが」



段々大きくなっていく地下からの物音。



「そりゃ、壊れもするだろ。今まで男として育ってきたアイツが、いきなり女だ、って言われても。兄貴のエイトもソレを可哀想だと思って、何にも言わなかったんだからよぉ・・・・・・・・」


「でも、女として育ってたら、今頃奴隷だよね」

「手前ぇが無花果かわいいかわいいって思ってたら、臆病になって、女として育てるのが怖くなったんじゃねぇのか?」


「・・・・・・・・・・・・・」


真っ直ぐな眼が、仁叉を睨み上げる。



「・・・・・・・・・君は、空羽の何を知っているの?」


「さあな。でも、手前ぇよりは無花果の事知っていると思う。」


「収容所で初対面の君が?」


「初対面、って決め付けるのは早いと思うぜ」


バァンッ・・・・・・・・・・・・



隙を突き、零の銃が発射する。