ホタルが舞う季節


川の音を聴きながら心を落ち着かせていると、


「ひかり。」


あたしを呼ぶ夕真の声がした。


「何やってんだよ。ほら。」


あたしの手を取り立たせようとする夕真の手を振り払う。


「おい!」


自分でも分からなくて、どうしていいのか分からなくて、気付けば頬に流れる一筋の粒。


それに気付いたのか、夕真がギュッと抱きしめてきた。