私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

その態度が敵意を増加させるのはわかっている。女性社員は

「店長ー!」

と声を上げ、私を指差しながら、店長と何やらとげのある話を始めた。

もうここに派遣されることはないだろう。

(どうでも良いけどね)

こんな事には慣れている。というより、どこでも同じような扱いしかしてもらえない。自分のプライドを削りながら、私は仕事を続けているのだ。

「これだから派遣は」

女性社員はまだ腹の虫が収まらないのか、後ろを通り過ぎざまに、そう吐き捨てた。


(これだから派遣は……か)


そう言われても仕方がない。自分だってこんな境遇になるまでは、派遣社員など一般の社会人と区別して考えていたくらいだ。

我慢して仕事出来ないから、すぐに辞めてしまう。能力が低いからどこでもすぐにクビになる。いつまでも夢ばかり見て現実を見ない。責任感がなく、だらしがない。

そんな人間の集まりばかりだと思っていた。


(あれさえなければ、あたしだって……)



その男たちが現れたのは、母が死んでから一ヶ月ほど経ったころだった──