派遣会社では、だれもが自分の生活に追われているから仕方ないのかもしれない。

そこに他人を思いやる気持ちは存在しないのだ。


その夜、結局24時間営業のボウリング場で夜を明かした──



ぼんやりと思い出を巡らせていたとき、派遣会社から連絡が入った。

現場で穴を開けた奴がいるようだ。

仕事内容はイベント会場のセッティング。となると、肉体労働となる。

それでも私は、ようやく出血のとまった肩を押さえながら

「はい、行きます」

と、返事をした。