私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

しかし30分後、私はがっくりと肩を落としてその無人契約機をあとにしていた。


実家もない、派遣社員、そして多額の借金はデータに残っていたのだろうか、私はあっさりと借入れを断られた。


(サラ金からも借りられないのか……)


自分の人間としての価値を否定されたようで、私はかなりブルーが入った。


(どうしよう)


と、考えた頭のなかに、携帯サイトを思い出した。

以前、ケータイ小説を読んでると、その広告に金融屋のものがあったはずだ。


(たしか──)


「お金を借りられない人でも、必ず貸します」


そんなキャッチフレーズだったような気がする。


携帯のブックマークを開くと、読んでいた携帯小説サイトへアクセスした。



『ありがとうございます。フレンドリーローンです』


熱気がのぼり立つ駐車場の隅にしゃがんだまま、私はそこに電話をかけた。

電話の先の声は、意外と明るい好感の持てるものだ。

私は少し安心し、お金を借りたいむねを伝えた。


「とりあえず5万円くらいで良いんですけど」

『はい、とりあえず審査をしますのでね、こちらの質問にお答えいただけますか?』


言われるがままに、名前と生年月日、住所、会社名、電話番号、年収などを答えてゆく。すると男は、


『それでは今から審査をしますのでね、20分後くらいにお電話しますが、時間はよろしいですか?』


と言う。

私はそれに返事をすると、電話を切った。


会社ではもうクビ扱いになっているのだろうか。ここでも断られれば、もう後がない。


そんな切羽詰った状況は、冷静な判断を狂わせてゆく。