ようやく身を固くした私の前で、そのドアは開かれた。
「あの、私の部屋は……」
そう聞いた私の腕をつかみ、相沢は強引に部屋へ引っ張りこむ。
そして丁寧にチェーンロックをかけた。
(ウソでしょ)
目を丸くする私に近づいてきた相沢は、口元をゆがめて笑うと上着を脱いだ。
「ちゃんと2万払うんだしさ、食事もおごってやったんだよ。おまけにここに泊まれるんだ。お前らにとっちゃ天国みたいだろ」
私がそのまま後じさると、足がベッドに引っかかって尻もちをついた。
不意に、中村の好色な顔が頭に浮かぶ。
「それに、どうせ溜まってんだろが。俺がなぐさめてやるって」
のしかかってきた体に押しつぶされて息が止まる。腕をとられると肩に激痛が走った。
「痛い!」
「おとなしくしろってんだよ」
いきなり頬を張り飛ばされ、一瞬意識を失った。衝撃で目の奥に火花が散る。
暴力に対する恐怖で私は声をなくした。
「もう一発食らいたいか、ああ!」
また腕を振り上げる相沢に対して、私は弱々しく首を横に振るしかなかった。下手に乱暴されて、お腹にもしものことがあれば、取り返しがつかない。
荒々しく衣服を脱がされながら、私は涙を止めることができなかった。
(ごめんなさい……ごめんなさい……春樹)
その言葉だけが頭のなかをグルグルと回っている。
なんで私はこんな目に遭うのだろう。私がなにをしたと言うのだろう。私は他人よりお金がなくて、住む場所がないだけだ。
血の滲むような生活でも、歯を食いしばって生きているだけだ。
なぜ、弱い人間はさらに虐げられるのだろう。
「あの、私の部屋は……」
そう聞いた私の腕をつかみ、相沢は強引に部屋へ引っ張りこむ。
そして丁寧にチェーンロックをかけた。
(ウソでしょ)
目を丸くする私に近づいてきた相沢は、口元をゆがめて笑うと上着を脱いだ。
「ちゃんと2万払うんだしさ、食事もおごってやったんだよ。おまけにここに泊まれるんだ。お前らにとっちゃ天国みたいだろ」
私がそのまま後じさると、足がベッドに引っかかって尻もちをついた。
不意に、中村の好色な顔が頭に浮かぶ。
「それに、どうせ溜まってんだろが。俺がなぐさめてやるって」
のしかかってきた体に押しつぶされて息が止まる。腕をとられると肩に激痛が走った。
「痛い!」
「おとなしくしろってんだよ」
いきなり頬を張り飛ばされ、一瞬意識を失った。衝撃で目の奥に火花が散る。
暴力に対する恐怖で私は声をなくした。
「もう一発食らいたいか、ああ!」
また腕を振り上げる相沢に対して、私は弱々しく首を横に振るしかなかった。下手に乱暴されて、お腹にもしものことがあれば、取り返しがつかない。
荒々しく衣服を脱がされながら、私は涙を止めることができなかった。
(ごめんなさい……ごめんなさい……春樹)
その言葉だけが頭のなかをグルグルと回っている。
なんで私はこんな目に遭うのだろう。私がなにをしたと言うのだろう。私は他人よりお金がなくて、住む場所がないだけだ。
血の滲むような生活でも、歯を食いしばって生きているだけだ。
なぜ、弱い人間はさらに虐げられるのだろう。



