私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

「ほお、言ったな」

「言いましたけど、なにか」

「お前、ホントの馬鹿だな」


中村はそう言い捨てると、詰所へと戻っていった。


(あんたが馬鹿でしょ)


こんな毎日もう嫌だ。あいつの顔を見るくらいなら、多少きつくても他の工程のほうが良い。


そう思ったものの、次の日から部署変えさせられたところは、最悪な場所だった。

「ここでしっかりやれよ。あ、ちなみにな、ここも俺の担当だからよろしくな」

連れて来られたそこは、原料工程といわれるところだった。

重い粉袋を絶え間なく抱え、それを攪拌機に放り込む。これで何を作っているのかは分からないが、この工場は色んな製品を作っているのだけは分かった。


「担当って……」


奴は自分の担当している部署のなかでの移動を行ったのだ。その卑劣さに頭に血が上った。

「工程変えてと言ったのはお前だからな。どうしても元の工程に戻りたかったら相談しろ」

その言葉を聞いて、唇を噛む。その歯が怒りで小刻みに震えていた。


その工程を見渡しても、女子社員は一人もいない。


当然だ。