私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

午前中の10分休憩は、あっという間に終わった。

このあと、昼休みが45分。昼からの休憩が15分。朝の8時半から始まる作業が終わるのは、午後9時だ。

計算すると、まだ10時間ほども残っている。


(こんなの続くわけ……)



そう思ったものだが、現実には続いている。

毎日同じ基盤を眺め、同じ箇所のハンダを付け、12時間働いて、クタクタになって寮へと戻る。

その寮の住人がまた問題ありありだ。

部屋の鍵を開けると、すでに帰ってきて、インスタントラーメンをすすりながらテレビを観ている巨体の女がいる。

これが古株の石川だ。

こちらに目を向けることもない。喋る気もないのだろう。ここに来てから一度もまともに口を聞いたことはない。

しかし


(また……)


冷蔵庫を開けたとたん、思わずため息が出る。

私の段に置いている卵がひとつ無くなっているのだ。

たかが卵のひとつだが、それでも貰うなら貰うで言うべき事があるだろう。こんなことがずっと続いてストレスがたまっていた私は、思わず文句をもらしていた。