私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

私は夢を見ていた。

最初に入った派遣会社で、私は夢の中でも働いていた──


コンベヤに乗った電子基盤が次から次へと流れてくる。そこにずらりと並んだ作業員。

それぞれに担当している箇所があり、その基盤にハンダ付けを行うのだ。


最初はこの匂いが我慢ならなかった。

どうにも気分が悪くなって、頭がぼーっとしてくるのだ。

それを社員に訴えると、


「ライン止めるわけにはいかんだろ。ぶっ倒れたら交代しろ」


と、あっさりと却下された。


ついでに言えばずっと同じ体制で肩と背中が痛くなる。おまけにずっと立ちっぱなしで、足は棒のように重くなった。


「ようは慣れだから」


休憩時間、隣で作業していた女の子は、そう言ってジュースを飲んだ。


「最初はみんなそう。そこを乗り越えられないと、ここでは勤まらないよ」


私を見る目に、軽い軽蔑の色が浮かんでいる。そのくらい我慢しなさいよ。と、暗に言っているようだ。


「さて、そろそろ仕事ですよ」


同じ派遣で働く女の子は、空になったカップをゴミ箱に捨てると、さっさと休憩室を出て行った。