私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

「山内さんから聞いたんですか?」

「そうそう、その話」

「だったら井原さんから何とかしてくださいよ」

「そりゃするけどね、そんな話を社員さんに持って行ったらね、お前も別の現場に行ってもらうから覚悟しとけよ」


それは明らかな脅しだった。

私の心臓に冷えた血液が流れ込む。

「いいか、ここで働いてたかったらな、妙なことは言いふらさないようにしとけってこと。分かったか?」

すぐに返事はできなかった。

怖かったのだ。自分の立場がいかに弱いかということを思い知らされて。


「分かったのか!」


押し黙ったままの私に、井原は恫喝ともとれる言葉をぶつけてきた。


「は、はい」


そう返事をするしかなかった。


通話の切れた携帯から、虚しい電子音が流れてくる。私はやるせない虚脱感のなかで、ひとり薄い布団にもぐりこんだ。



月曜日。週の頭から気分が重い。

作業に気が入ってないことをすぐに見抜いたのだろう、春樹の口調はきつかった。


「こんな作業にいつまでかかってんだよ」


私は何も答えなかった。