私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

腹の虫のおさまらない私の腕をつかむと、春樹は力強く体を引き寄せた。

「まあまあ、俺がいるだけで雪のほうが幸せだろ」

そう言われると、確かにそうかも知れない。しかし、それとこれとは別問題だ。



翌日、日曜日に休日出勤した私の目に映ったのは、酒で赤らんだ顔をしてあくびをしている田中だった。

終業前15分にもかかわらず、喫煙室でのんびりとタバコをふかしている。

一度は収まった怒りだったが、それを見るとまた胸くそが悪くなる。かといって直接文句を言うほど私の度胸もすわっていない。それに田中はもう四年も働いている先輩でもある。


始業時間になり作業を始めても、イライラはつのるばかりだった。

春樹はこんな私を笑うだろう。私は心の狭い女なのかもしれない。


それでも私だけではない。ここで真面目に働いている人たち全員に対して、申し訳ないとも思わず、何食わぬ顔でお金だけ手に入れているのが許せなかった。

テーピング工程には、派遣会社直属の監視と調整を行っている管理社員が作業している。たしか今日の日勤で入っているはずだ。

休憩時間になると、その社員の姿を探した。


休憩室の細長いテーブルにつき、頭の薄い、うだつのあがらない小太りの風貌をした男が、背中を丸めながらパンをかじっている。

この山内という男が、その管理社員だった。