私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

水滴に濡れたコップを持ち上げると、ひと口飲んで窓の外に視線をおいた。

「それをとり戻すためにはな、並大抵の努力じゃ無理なんだよ。ここを抜け出すだけじゃない。それからも死に物狂いで仕事しなきゃ、とり戻せねえからさ」

春樹はもっと先のことを考えていたのだ。

「それだったら、ここを抜け出してから頑張ったら良いんじゃないのかな」

「プライドの問題。こんなとこで頑張れないようじゃ、堅気の仕事に戻っても通用しないよ」


「春樹は仕事好きなんだね」


私は呆れるように言った。

それに対して春樹は


「バカ言え、俺ほど仕事嫌いな奴もいないだろ」


と、自嘲気味に笑った。