私はダメ人間じゃない～ネットカフェ難民の叫び～

たったひと言。それだけで十分だった。胸の中が温かいもので満たされたような気がして、私は救われたという実感をかみ締めていた。


「何ヶ月？」

「３……もう４ヶ月に入ったかな」

「そう。つわりは？」

「２ヶ月のころは少し。私は軽かったみたい」

「そっか……すごい覚悟で生きてんだね、雪は」


夏子さんは、私の心情を受け止めて、すぐに理解してくれる。それは、彼女も私と同じような覚悟で生きているからだろう。

ネットカフェ難民がすべて、生きるか死ぬかの瀬戸際で生活しているわけではない。

実家に帰ろうと思えばいつでも帰れる逃げ道を作っておいて、気楽に遊び半分に暮らしている人間も多い。

また、すぐに仕事を休みシフト勤務が勤まらない人間や、やりたい仕事が見つからないからとりあえずやっているとか、クリエイターを目指しているから普通の仕事が出来ないとか。