私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

私的に推理すると、DVによる後遺症が体に刻まれているのではないだろうか。他人に見せられないほどとなると、おそらくかなり凄惨なものなのだろう。

私は湯船にゆらゆら揺れている自分の体に目を落とした。

肩の傷はまだ痛々しいが、それ以外はまだ大丈夫だ。車で言えば、まだ新古車というレベルだろう。

それだけでも、私は幸せだと思わなければならない。



その日の夜、銭湯から帰ってきた夏子さんから仕事の話が舞い込んできた。

「弁当屋はいつまで予約してんの?」

「明後日までですけど、なんで」

「よかったら私と一緒の現場に入らないかな、と」

「えっ、ホントですか」

ひとりで仕事をするのはやはり心細い。知り合いが一緒であれば、どれだけ気が楽か。

私はその話に飛びついた。

しかし、現場の名前を聞いたとたん、考え込んでしまう。それは運送会社だったからだ。

軽い力仕事であれば大丈夫だが、さすがに重い荷物ばかり扱うような仕事は、女手にはきつい。その上、妊娠した身では危険すぎる。