その名前を聞いて、私はちょっとした偶然を見つけて、少し笑った。
「人の名前聞いて笑うって失礼じゃない?」
「いえ、違うんです。そんなんじゃなくて」
あのとき春樹は私にこう言った。
「お前が雪で俺が春樹だろ。雪に春を運んでやるから、安心しろ」
春の次に私の前に現れたのは夏。
そんな偶然が嬉しかったのだ──
「人の名前聞いて笑うって失礼じゃない?」
「いえ、違うんです。そんなんじゃなくて」
あのとき春樹は私にこう言った。
「お前が雪で俺が春樹だろ。雪に春を運んでやるから、安心しろ」
春の次に私の前に現れたのは夏。
そんな偶然が嬉しかったのだ──



