「これからは毎晩ネカフェを探し回るだろうね」
言われるまでもなく、奴らはそれこそ血眼で私を捜すだろう。
そうなれば、安眠することも出来なくなる。
しかし、言葉をなくした私に、女性は明るく言った。
「あいつらに見つからないネカフェを教えてあげるから、そんな暗い顔しなさんなって」
「そんなとこあるんですか!」
「あるのよ、それが」
この女性がいつも使っているところだという。
「でもシャワーはないよ」
シャワーがないのは致命的かもしれない。私は少し躊躇した。といっても、殺されるよりは当然マシだ。
「かわりに近くにバカ安の銭湯があるのよ」
「銭湯、それいい!」
ずっとシャワーばかりの生活に倦んでいたところだ。足を伸ばせて湯船に浸かれるというのは、かなり魅力的に思える。
さっそく今晩からそこに泊まろうということで話は決まった。
そこまで話をしてから、私は名前も告げていないことに気がついた。
「あの、遅くなりました。私、海野雪といいます」
「それはご丁寧に。私は坂井夏子」
「夏子……さん」
言われるまでもなく、奴らはそれこそ血眼で私を捜すだろう。
そうなれば、安眠することも出来なくなる。
しかし、言葉をなくした私に、女性は明るく言った。
「あいつらに見つからないネカフェを教えてあげるから、そんな暗い顔しなさんなって」
「そんなとこあるんですか!」
「あるのよ、それが」
この女性がいつも使っているところだという。
「でもシャワーはないよ」
シャワーがないのは致命的かもしれない。私は少し躊躇した。といっても、殺されるよりは当然マシだ。
「かわりに近くにバカ安の銭湯があるのよ」
「銭湯、それいい!」
ずっとシャワーばかりの生活に倦んでいたところだ。足を伸ばせて湯船に浸かれるというのは、かなり魅力的に思える。
さっそく今晩からそこに泊まろうということで話は決まった。
そこまで話をしてから、私は名前も告げていないことに気がついた。
「あの、遅くなりました。私、海野雪といいます」
「それはご丁寧に。私は坂井夏子」
「夏子……さん」



