私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

これからどこに行こうが自由気ままだ。

もちろん、不安と背中合わせの自由。


なにも手に入れられないということを除けば、これはこれで良いのかも知れない。


もしこの子がいなかったら、私だってどれほど気が楽だろう。


正直、そんなことを思わない日はない。

いくら綺麗ごとを言っても、私だって人間だ。堕ろしたいと思ったことは一度や二度じゃない。

所詮、自分ひとり生きてゆくのが精一杯の状況で、子供を産もうなんて狂気の沙汰なのだ。

不安だ。何もかもが不安だ。



「姉ちゃん、姉ちゃん」

駅前のベンチに座っていると、ろれつが回っていないダミ声が耳に入った。

時々、こんなサラリーマンが私の前に現れる。