私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

心の中では好きじゃないと叫んでいた。でも、それが言葉になって出てこない。

だったらこのままドアノブを回して、この場を去れば済むことだ。

もう、春樹に対する弁解など、頭から消え去っている。


そして、ようやく口をついて出た言葉は


「帰り道がわからないから」


だった。


春樹は少しだけ笑うと、

「強情だな」

といって、唇を重ねた。

そして私は、それを拒むことはしなかった。