私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~

それからは、答えの見つからない押し問答が小一時間は続いただろうか。

春樹の答えに納得いかない私は、同じ質問を何度もくり返した。


「なに連れ込んでんのよ」

「お前が押しかけてきた」

「なんで私が裸?」

「お前が勝手に脱いだ」

「じゃあなんで何もしてないの」

「眠かった」

「絶対ウソ。絶対なんかした」

「お前な……」


延々と続く会話に飽き飽きしたのだろう。春樹は口を閉ざすと、タバコを取り出して火をつけようとした。

「私タバコ嫌いなの」

イラついた口調で、そのタバコを取り上げる。

すると、春樹は苦笑したままライターをもてあそんでいたが、その手を止めるとこう言った。


「何か、して欲しかったのか」

「そんなこと……」


そう言われて、心臓がしゃっくりを起こしたような誤作動を起こす。


「お前が俺のこと好きになったら、何かしないでもないけど──」


あっけにとられている私から、春樹はタバコを取り上げて火をつけ、



「寂しいだけの女は抱けないな」



そうつぶやくと、私を部屋から追い出した。