俺はユニフォームに着替え、シューズの紐を絞める。 「よぉ」 「…啓」 「調子は?」 「絶好調」 「…余裕」 「全然。余裕なんかじゃない」 「そう見えないけど?」 「なぁ、全国の最高記録、いくつか知ってるか?」 「13分36秒14。まさかお前…」 「超えるよ、その記録」 「…正気?」 「大真面目。超えてやる」 世界への切符に、近づくために。 全国の最高記録なんて、 俺が超えてやる。