学校に向かう途中にある桜並木に、通学途中の人達の中で一際目立つ綺麗な女の子が居た。


桜ふぶきの中でフワフワしている桜の精の様に見えた。





今日から高校3年生。
光琳高校で過ごす最後の1年が始まった。

「瑚南っ!また一緒のクラスだったぞ!」


幼馴染みの元がクラス発表の掲示板の方から大きな声で私の名前を呼びながら手招きしている。


私は人垣の間をすり抜けて元の隣に並ぶ。
「季帆は一緒っ?」


「一緒!」


元が指差すクラスの表の方を見る。


「本当だっ。」


私と元はハイタッチしながらその場で歓喜の声をあげた。