『アタシ…高校でも入院ばっかりだったから勉強ついていけなくてね…悔しかったけど退学しようと思ってたんだ』
「…うん。それで?」
『その時に突然、慶君がアタシの病室まで来て…「日和ちゃんのノート持ってきたよ。一緒に勉強しよう」って…アタシ思わず泣いちゃった』

慶…優しいからな。

『それから慶君は毎日、病室に来て勉強教えてくれたり学校の話してくれたりしたんだよ。でも…』

楽しそうに話していた日和の表情が曇った。

「どうしたの?日和」
『アタシ…慶君のこと待てずに死んじゃったから…「ありがとう」の一言も言えてない』
「日和…」