「なぁ」
「何?」
「あの女…何でいつもあそこにいるんだ?」
「女?」
「ほらアイツ」

俺は座る少女を指差す。
隣にいる友達は『?』というような感じで俺に言った。

「お前…何言ってんの?」
「は?」
「女なんて、どこにもいねえよ」
「だって、あそこに…」
「…?意味分かんねえ」

そう呟いて友達は行ってしまった。

確かに少女はあそこにいる。

ジーッとコチラを見ている。

俺は唇を噛み締め外へ続く階段を走った。