『なんだか…懐かしくなったよ』
「日和?」
『ん?』
「寂しいなら悲しいなら泣いていいんだぞ?」

泣くの我慢して、そんなに震えて…。

こっちが泣けてくるじゃんか。

『ふっ…』
「日和が家族のこと、そうやって思ってるだけで親孝行なんじゃねぇの?」

触れない。日和には触れない。
でも泣く日和の頭を優しく撫でた。

『耀羽…』
「ん?」
『…ありがとう』
「別に…?」

素っ気なく振る舞ったが実は照れていたことを日和には気付かれていただろうか。

【天使】という名の同居人は、心に傷を負っていた。

その傷を癒やすのも…【家族】の役目だろ?