私はきっと、あの王子様に会える。
「美咲ちゃん。大人になったら、結婚しようね」
「んっ…。」
またあの夢を見てしまった。
私は昔、会ったあの男の子の事を一筋に思いながら生きてきた。
私は、今年の春から高校、一年生になる。
高校に入って、あの王子様に会いたいなぁー。
「小学校・中学校も同じ事を言っていたけど、一度も会えてないよなぁー。」
独り言を言いながら、学校に行く準備をしていた。

改めまして、私、奥村美咲は緑山高校一年生になる。
私は、大親友の桃倉千春と同じ高校に行きたくて、猛勉強した。
千春が頭良いから、私も頑張った。
「おっはよー!!」
私は元気な声で目の前にいる、大親友千春に、声を書けた。
そしたら、
「おはよう」
だって。
どんだけ、元気ないんだよって言いたいけど、これが千春の性格だから仕方ない。
千春とは、中学校からの付き合い。
「千春ー、同じクラスになれると良いねー。」
「美咲はうるさいから、同じクラスじゃなくても良い。」
千春はこんな冷たいことを言っているけど、実際は超ー優しい。
いざとなったら、絶対助けてくれる。
だから私は、千春と、友達でいられるのかもしれない。
いつの間にか、学校が近くにあった。
まず、最初にクラスが何組かを見なくては、ならない。
けど…身長が小さくて見えない。私は、149cmで…千春は、165cm!!
だから、私は千春と並んでると小学生に見える。
「みえなーい」
私が困っていると、千春が…
「私と千春は同じ暮らすの、2組だって。」
千春が教えてくれた。
「やった――」
私は今、すごく嬉しい。
死んでも良いくらいだ。
「キャ―――!!」
んっ…なんだ?
後ろを振り向くと、女の子達が円になって、誰かを囲んでいる。
「うぅ~顔が見えない。」
身長が低いから、頑張って背伸びして見ようと思ったその時…。
誰かに押されて、円の中に入ってしまった。
転びそうになったその時、誰かに体を支えられた。