(もしかしてこの子も…)


胡桃がこれから受けにいく学校のパンフレットだった。


胡桃は女の子の顔を覗きこんだ。



(…あ…!目合っちゃった…)


女の子はこちらをちらっと見てほほえんでくれた



この世のものとは思えないほど美しく整った顔
胡桃は少しくすんだ目の奥に惹かれた。



「あっあの…」

胡桃が口を開くと女の子は驚いてこちらを見た



「はい…?」


胡桃は迷った。
(しまった!なんて言おうか考えてなかったよ…)



2人は見つめ合いながら沈黙の時が流れた



近くではしゃぐ子供達の声が余計大きく聞こえる



「もっもしかして…そのパンフレット?」


胡桃は恐る恐る聞いた。



「あ…」

女の子は少し笑うと


「恥ずかしいけどオ―ディション受けんだよ。モデル目指してんだ」



と言って足を組み直し頭をかいた。



「え…!本当に!?私もなんだぁ!」


胡桃は興奮して手をバタバタさせた。


「それは良かった。ちょっと一人は不安だったんだよ。」


女の子はハスキーな声で引くて通ってて


声優にでもなれそうだった。



「わ…私中里胡桃って言います!よろしく!」



「ああ胡桃ちゃん?お菓子みたいだね。私は嵩井ナツな。ナツってカタカナだから」


ナツはちょっと意地悪そうな笑顔で髪を掻き上げた。


(本当に綺麗…ハ―フかな?)



「隣座ってい?」


ナツは胡桃の横に返事を聞く前に座った。



胡桃はドキドキして横を見れずにいた。



(聞いちゃおっ…!)



「なっナツちゃんってハ―フ?」


「いや…クオーター。あんまり変わらないか」


ナツは上を向いてはははっと笑った。



当たったのか外れたのか…


胡桃は苦笑いだった。