「…なんで僕なんですか?」
こんなこと、この人たちに聞いても、しょうがないのに。
僕は聞いてしまう。
認めたくなくて。
「僕じゃなくてもいいのに。」
嫌だ。
そんなの。
「なんで僕なんだよっ!!!!」
そして僕は声を上げて、泣く。
あまりに世界がひどいから。
あまりに残酷だから。
神様も。『神の呪い』も。
『悪しき心』も『力』も『呪い』も『ヒト』も。
この大地や風や虫や草や木や森や空も全部が全部。
馬鹿みたいにいつもと同じことを繰り返していることが。
ひどく憎い。
僕はこんなに。
変わってしまったのに。
それに、女の人は何も言わない。
大声で泣き崩れる僕を見て、まったく動かない。
泣く僕に顔は見えないから、どんな表情をしているかわからないけど。
ただ、じっとしゃがんでいる。
涙が止まらない。
声が枯れても止まらない。
このまま喉がつぶれるかもしれかい。
でも泣き止んだら。
もう戻れないような気がして。
ただ世界を呪いながら、泣いた。
そして無駄だとわかっているのに。
馬鹿みたいなことだとわかっているのに。
また僕は。
このすべてが夢であってほしいと。
神に、祈った。



