そのやり取りを見て、ふと僕は気になる。
「あのさ。じゃあシューはこのこと知らなかったの?」
それに必死で謝っていたシューが振り返り、
「そうだよ。だからほんとびっくりしちゃった。」
と嬉しそうに笑う。
それに僕は不思議に思う。
するとそれに気づいたらしいラニテイが説明してくれる。
「シューはイルトのことになるとすごく顔に出るでしょ。この計画を教えたらずっとにこにこするだろうから、イルトにばれるかもってアルマさんが言ったんだよ。」
と言うので、今日の朝のシューを思い出して、納得する。それを思い出して笑うとシューが真っ赤な顔をして、
「そんなことないよーっ。」
と言うが3人とも聞いてくれないようで、それにまた僕は笑う。
だから改めて、
「みんなありがとう。」
と言うと、みんな少し照れた顔になりながら、よかったねと言ってくれる。
するとそこでテマが、ふと僕に切り出す。
「ねっ。もうあたしたちと遊ぶようになってから1年なんだからさ、あたしたちには敬語なんか使わなくていいのに。」
そこで僕ははっとする。
また頭に響く。あの声。
ーーーーー化け物。
「イルト?」
とテマが心配げに僕を見るが、遠くで聞こえる感じがする。
頭の中の声が、鳴り止まなくて。
ーーー化け物化け物化け物。
ーーーニンゲンサマに生意気な。
足が震える。
ひどく怖くて。
やけに僕の鼓動がうるさい。
そこで。



