アルマさんに連れて怒れた村の広場には、ほんとうに村中の人が集まっていた。
その中にはラニテイやナギキやテマもいる。
広場には村の人たちの出すいろいろな屋台が並び、食べ物の屋台から広がる美味しそうな匂いがたちこめていた。
「すごぉい!ほんとにお祭りみたい!」
それにシューがはしゃいだように言った。そして僕の手を引いて屋台のほうへと走ろうとするので、
「ちょっと、シュー待って。」
とアルマさんが止める。
そして僕の肩に優しく手を乗せ、僕を見つめて、ふふっと笑いながら言う。
「そろそろ種明かししないとね。」
アルマさんは僕の目の前にしゃがんで僕の肩を両手で優しく抱くと、真っ直ぐ僕の目を見つめながら言った。
「今日はイルトの誕生日よ。」
アルマさんの後ろでは、それを聞いたシューが口を手でおさえて、すごく嬉しそうな顔をする。
僕はただアルマさんの目を見て、頭の中で今の言葉を半数した。



