「そしたらシューに連れて来られたところが森だったから、笑っちゃった。」

と僕は笑いながら言う。その僕を見てシューは一瞬顔を赤らめてうつむいてから、顔を上げて僕を見て、まだ少し照れた笑顔で笑う。


「じゃあちょうどよかったね。
急に連れてきちゃったから、嫌だったらどうしようかと思っちゃった。」


それに僕は、そんなことないよ、と言ってから森を見上げる。



どこかで小さく鳴く小鳥のさえずりと、さわさわと木の葉の風に揺れる音がする。

大きく広がったたくさんの大きな木の木の葉のすきまから漏れる明るい日の光で、森の幻想的な雰囲気をさらに引き立てている。



その森の空気を一度深呼吸をして、肺に流し込む。


するとまた、僕の体と心ががこの森に溶けていく感覚になる。




そんな僕を見て、シューも同じように深呼吸をして、楽しそうに笑う。

それからまた僕の手をとると、


「ねっ。何しよっか。」

と言いながら走る。それに僕は何をするか考えながら、シューを追いかけた。