驚いて、僕の上になっていっしょに倒れこんだ子を見ると、それはシューと同じ年のテマだった。
テマは、栗色のカールしたくせっ毛に、少し垂れているが勝ち気そうな栗色の目。そばかすのある元気な女の子だ。
「テマ。おはようございます」
と僕が言うと、テマは、
「おはよう!
もぉーテマにはそんな丁寧にしゃべらなくてもいいって言ったじゃん!」
と、少し怒ったように頬を膨らませて言う。
そこでびっくりしたようにこっちを見ていたシューが、やっと反応する。
「あ!えっと!とにかくテマおはよう!
それから、いきなり走って飛びつくのは危ないよっ。
あとあと、そろそろイルトの上からどいたほうが……」
と、あたふたと言うシューに
「そんなに一度に言われても、テマわかんないし!」
と言って、結局どいてくれないテマと、あわてるシューに僕は苦笑してから、テマの後ろから小走りでかけてくる二人の男の子たちを見た。
僕はテマにどくように頼んでから、彼らに声をかけた。
「ナギキ、ラニテイ。おはようございます。」



