アイツに彼氏が出来た。

は?
「え…」何事?

「いやー、まさか自分の誕生日を本当に忘れてるとはね。好都合だけどっ」
「でも、看板に気付かれた時は焦ったな。コイツの視力が悪くて良かったよ」
「部屋を貸す、なんてサプライズでよく使われるらしいしね。連想ゲームで誕生日思い出されたらどうしようかと」
「事前に店員さんに言っといて良かった。じゃないとあんなに全力疾走できないし」
「優しい店員さんで良かったよねー」


呆けている俺を放置してぺらぺらと会話する琴美と優太。

えーっと、…えぇ?

「透。…お前、まだわかってないだろ」
にやけ顔で言う優太。
「あはははっ、だーかーらー、お誕生日、おめでとう!!」
両手を広げて満面の笑みの琴美。

二人の背中から、ケーキやら何やらが置かれているのが見える。

…つまり。
今日は俺の誕生日で。
忘れているみたいだからサプライズやろうと。
ドアを閉めたのはクラッカーを取りにいった為と。
そしてこのビルは部屋を借りたり出来る場所で。
…で、見事大成功と。