うわ…一気に冷や汗が…


「ん…」

「!」


かすかに声がした方を見ると、ベッドで寝ている妹尾がいた。

「…先生?」


弱々しい声で名前を呼ばれ、ベッドのそばに近付く。


「妹尾、大丈夫か?」

顔を覗き込む。

「どうして…先生が?」

少し赤ら顔の妹尾。

「来週までの課題を持って来たんだ」

「…ありがとうございます」


そっと、ベッドの横にある机の上に置いた。


「あ…先生」

「ん?」

「インフルエンザ…うつっちゃうから…」

「大丈夫だよ」

「でも…」


まだ何か言いたそうな妹尾。


「…ふぅ」


本当…


妹尾も、自分のことより人のことを考えてばかりだな。