被服室に向かう途中教室に残っている生徒がチラチラこちらを見てくる
そして必ず私を見てこう言う
「あの子が王子の彼女…?」
「えー、超だっさーい」
もう嫌だ
ダサくて悪かったですね
「瑠璃もいろいろ言われて大変だねー」
「他人事みたいに言わないでよ…」
「だって他人事だし?」
「まーそうだけど…、ちょっとくらい労ってくれないの?」
「あ、隆也だ。たーかーやー!!」
柚稀は勢い良く手をブンブン振る
その先には1人の男子が…ってか話そらしたよね?
「あれ、柚稀?」
彼は振り向き柚稀の名前を呼んだ
「たかやんこんなところで何してるの?
部活じゃなかったー?」
柚稀は一目散に彼の所に走っていった
「部活だけど忘れ物とりに来たんだ。
柚稀は何してるの?」
「私は部活で衣装作る為に被服室へ行くとこだよ」
「そうなんだ。でそちらは?」
チラッと横目で見ながら聞いた
「あ、紹介してなかったね。
此方は今有名な成宮瑠璃さん、演劇部の友達だよ!」
「どーも」
素っ気ない挨拶を返しておいた。
有名とか酷いよね…

