そう思ったらいきなり紫苑が立ち止まった
鼻打った…痛い…
「いきなり立ち止まらないでよ…」
「はぐれられても困るから…」
そう言うと紫苑は手を差し出してきた
握るべき…?振り払うべき…?
でもはぐれるとめんどくさいし…
あー、もう握っちゃえ!!
心の中で何かの葛藤を繰り広げ紫苑の手を握り返した
「…行くぞ」
「う…うん」
紫苑ってこんなに優しかったっけ?
そう言えば何で呼び出されたの…私?
後で聞いてみよ…
くだらないことを色々考えていたら駅についた
駅から外へでてもなぜか手を離さない紫苑
「ねー」
「……」
「ねぇ」
「……」
「ねぇ、聞こえてる!?」
「うっせーな。用件さっさと言えよ?」
「…いつまで手繋いでるの?
みんな見てるんだけど」
学校の近くになると生徒の人数も増えてくる
だからさっきから視線が痛い…
もちろん女子からのね…
「この方がお前が俺の彼女で俺には彼女居るって見せつけられるんだよ」
そんなことを良いながらこちらを見てる女子たちににっこりと笑いかける紫苑
この笑顔…嫌いだな…

